体メンテナンス

季節に合わせて変わる体

新年度に入って、満開の桜も散り始めました。

桜は咲き始めたと思ったらあっという間に満開になって散るのも早いですね。

桜は散ってしまうのが早くて、儚い感じがしますが、このような流れゆく「美」を昔から人は愛でていて、お花見という季節行事を盛大に楽しむようになったんでしょうね。

でも、花や樹は、毎年同じ時期に芽を出し、花を咲かせて、実がなり、葉を落とすということに不思議に思ったことはありませんか?

世の中の生き物は、生物が誕生して以来、外の環境に合わせて子孫を残し生きながらえる知恵を編み出して、今まで何億年も生きできたんだなと考えると、その生き物の偉大さを感じますね。

もちろん、これは植物だけではなく、動物や人間も同じで、外の環境に自らの体の機能というかシステムを合わせて来たのです。

冬になるとクマやその他の哺乳類のように冬眠をして体温を下げ呼吸を少なくして、エネルギーを消費しないようにする動物もいます。

人間は冬眠こそしませんが、季節によって体の機能を変化させています。

野口整体は、季節による人間の体の変化について、明らかにして、季節ごとの症状やその対処法を追求しているのが、特徴でもあります。

そこがとても面白くて、私が整体に興味を持ったきっかけでもありました。

冬には縮こまっていた体が、季節の変化に先駆けて、春に向けて体を開いていく。

整体的な言い方をすれば、春には後頭部が開き始めて、肩甲骨が開き始めて、そして骨盤が開き始める。

縮んでいたのがだんだんゆるんで、伸び上がってくるというイメージです。

人の体は無意識にそう動いているわけです。

どんな人間でも、生きている限り勝手に動いている、というのが整体の考えですが、

そんな季節の体の変化がしにくい体と、変化しやすい体があると言います。

体が凝り固まっている人は、開くのに時間がかかり、体がゆるんで弾力のある人は、スムーズに開いていく。

このとき、体が凝り固まっている人ほど、無意識の体の作用として、

体をゆるませないとうまく開いていかないため、色々な症状を無理矢理起こさせて体をゆるめようとする。

その、色々な症状として、例えば、くしゃみやセキをしたり、鼻水や涙を出したりする。

これらは花粉症の症状みたいですが、野口整体では、花粉症というのは単に花粉だけの原因で発症するのではなく、

春になるために、骨盤が開くという体の変化をスムーズに変化させようとして、セキやくしゃみ、鼻水、涙を出すことで、体をゆるめて季節の変化に体を合わせていこうとしている。

というように見ています。

だから、体がゆるんでいる人よりも、凝り固まっている人の方が症状が顕著に出ると言われています。

このような考え方に納得するにしてもしないにしても、

いずれにしろ、

人間は生き物である限り、季節に合わせて体を変化させていることだけは間違いないと言えます。

知れば知るほど奥の深い生き物です。