「感受性の傾向」と言っても少し分かりにくいかもしれませんが、
人それぞれ、事実やものごとに対しての受け止め方や、感じ方が違います。
なんでも理論的に、理詰めで考える傾向がある人がいれば、
なんでも感情的にとらえる傾向がある人もいます。
また、常に勝ち負けを意識してしまう傾向の人もいますし、
直感的、本能的に判断する傾向が強い人もいます。
こういったことは、感受性の傾向の違いからくるものだと言えます。
そして、とても興味深いことに、
こうした感受性の傾向は、個人個人の体の運動の傾向に密接に関係している、もっと言えば、腰にある5つの背骨の使い方の傾向にとても関係しているのです。
これは野口整体の創始者である野口晴哉氏が提唱された「体癖」という人間の見方なのですが、
整体ではこのように人間の運動傾向と感受性のつながりを常に観察しています。
私自身も、この見方はとても納得感があります。
そして、日々の暮らしにも活かしています。
もう少し具体的に言うと、
腰の部分の背骨のことを腰椎(ようつい)と言って、腰椎は全部で5つあり、上から順に腰椎1番、2番、3番、4番、5番と呼びます。
そして、
腰椎1番は体を上に伸ばす動きを司っているのですが、この背骨を使うのが得意な人は、理論的にものごとをとらえる傾向があり、なんでも頭で考える傾向があります。頭が特に働くタイプで、行動するより考えることが好きなタイプだと言えます。
腰椎2番は体を横に倒す動きを司っているのですが、この背骨を使うのが得意な人は、
ものごとを好き嫌いで判断する傾向があり、感情的な傾向が強く出ます。
胃腸が特に働くタイプで、食べることに対する感受性と欲求がとても強い特徴があります。
腰椎3番は体をねじる動きを司っているのですが、この背骨を使うのが得意な人は、
ものごとを勝ち負けで判断する傾向があり、闘争心が強く、無意識に争うとか競争していたりする傾向があります。
泌尿器が特に働くタイプです。
腰椎4番は体を縮める(しゃがむ動作など)動きを司っているのですが、この背骨を使うのが得意な人は、ものごとを直感的、本能的にとらえる傾向があり、愛情や憎しみの感情が強い傾向があります。
骨盤の働きが強いタイプです。
腰椎5番は体を前後に倒す動きを司っているのですが、この背骨を使うのが得意な人は、
ものごとを合理的に考え、損か得かを無意識に判断する傾向があります。
考えるより行動するのが得意で、呼吸器が強く働くタイプです。
以上簡単に説明しましたが、
これは個人の背骨の使い方の癖みたいなもので、誰でも一つの傾向だけではなく、2〜3種を持っているものです。
ただしどの傾向が一番強いか、というのは個人の感受性の傾向として特徴が出てくるので、
自分の傾向を知ることは、自分自身をよく理解することにつながります。
それだけでなく、他者のことを理解するにもとても有効です。