以前、私の母の親友(ペルーなど中南米出身の方)と話していた時に、
日本は仕事などで色々なストレスが強い社会だとよくおっしゃっていました。
また、以前私が日本語指導をしていた東南アジア出身の看護師さんたちも、口々に、日本の会社は給料は高いけれど、仕事での責任、プレッシャーなどのストレスは、自国のそれと比べてはるかに強いと言っていました。
日本も、数十年前までは、今よりもかなり大らかな、寛容的な社会だったのだと思います。
少なくとも、私の若い頃の昭和の時代は、そうでした。
それが良い悪いではなく、
多少のいい加減さは許容される社会だったと思います。
今ではよく法令遵守とか言われていますが、物事の基準やルールを厳密に取り決めたり、判断することが一般的になってきたこともあり、少しのいい加減さも許されなくなってきていると、私自身も感じます。
言ってみれば、
「自由気ままに過ごすことが難しい社会」
「耐える社会」
「がまんする社会」
という感覚です。
日本に住む外国人の方々は、自分の出身国と比べて、客観的にそのように感じているのだろうと思います。
日本では、
「和を尊しとなす」
と言われるように、周りの人達と良い関係を築くことが、個人の自由な振る舞いよりも重要視されます。
「出る杭は打たれる」とも言いますが、個人の自由な行動が制限される風潮があります。
これも、良い悪いではなく、
日本社会の、二面性だと思います。
チームワーク、和、集団の力、という意味では素晴らしい力を発揮すると思いますが、
個人の主体性とか、自由な発想が制限される。
それが日本人の特徴でもあるということです。
ただ、人間の心身の健康を考えたとき、
「がまんする」とか
「耐える」
というのはあまり良いことではありません。
感情を抑えたりして、発散したいのをがまんしていると、それをどこかで爆発しなければ収まらなくなったりします。
体にも色々な影響が出てきます。
それが人間というものです。
機械のようにはいかないです。
あふれる感情を制御することはできません。
「和」を尊しとして、周りに気を使いながらも、
自分の感情を無理に抑えることなく表現して、
同じように他人の感情も尊重する。
「耐える」「がまんする」ではなく、
言いたいことを自由に言い合って、他人と密にコミュニケーションをとって、
お互いがお互いをもっと深く理解する。
そうすれば、心身共に良い状態を維持できるはずです。