以前も父親のことを書きましたが、この数週間でものが食べられなくなり、また水もまともに飲めなくなったことで、すっかり弱った父の介護はまだ続いているので、その続きです。
自力で口から食べ物、飲み物をほとんど摂れなくなって、もう一ヶ月以上経ちます。
とろみのついた流動食なら少しだけ食べられます。とろみがないと、誤嚥といってすぐに飲み物が気道に入ってしまって、セキをして苦しくなるので普通の飲み物は飲めないのです。
それで、10月初め頃に一気に体調が崩れたことに気づき、(父は実家で一人暮らしなので私もなかなか気づきませんでした)医師に診てもらうと脱水症状ですねということで、
それから毎日の点滴が始まりました。
父本人と家族の希望で、自宅療養を選びましたので、それから今も実家で診療、点滴を受けながら生活しています。
病院に入院すれば処置は病院が色々やってくれるでしょうが、父の性格的なことや、終末期に、家族ですら面会がままならなくなる事情を考えて、自宅での療養を選んだわけですが、
当然のことながら家族の負担は増えます。
訪問してくれる看護師さんは一日に30分から1時間程度、点滴や口腔ケアなど色々と面倒みてくれるのですが、それ以外はいないので、例えば終わった点滴を抜いたり、といったことは家族の仕事です。
特に父の場合は栄養や水分は点滴でほぼ全てを賄っているので、これを全くなくすわけにもいかず、
今はだいたい毎日、私と弟とで交代しながら実家に滞在しています。
私たち兄弟は幸いなことに、在宅で仕事ができる職種でもあるので、親の介護と仕事を両立できています。
それでも、子が親の介護をする上で一番大切だと思うのは、
「がんばりすぎないこと」
「気楽に構えてやること」
です。
一人っ子だと全ての負担がかかるので、なかなか難しいと思うので、兄弟いて良かったなと、こういうとき実感します。
どうしても家族の負担が大きくなってしまうなら、自宅療養以外の選択肢も大切だと思います。
また、あれこれ手を尽くしたからといって、介護される側が喜ぶとは限りません。
親のために手を尽くすということは、どちらかというと家族の自己満足のためだと思うので、
やはり、介護される側があまり負担に感じないことを考えることも大切と思います。
老衰して死期が近づいている父の不安を、今感じることがあります。
夜中に大きな声で呼ばれたりします。
そんな時に、私がそばにいてあげるだけで、父の不安はかなり減っていると思っています。
「そばにいて、時々気にかけてあげる。」
親の介護をしながらも、
なるべく気楽に構えて、
あれこれ手を尽くそうとは考えずに、
穏やかに父と残り少ない時間を一緒に過ごすこと、
これが私にとっては、親の介護の理想形だと感じながら、今、一日一日を過ごしています。