私の父はもう90歳手前です。
ずっと夫婦で生活していましたが、2年前に母が他界したため、以来一人暮らしです。
父にとって一人暮らしは何十年ぶりのことで、慣れない家事など全部やらないといけないので、大変だろうなと思っていましたが、
意外にもすぐ慣れてしまいました。
とはいっても、仕事があるわけでもなく家事といっても大したことはないと思うのですが、
精神的にも結構強いようで、一人で寂しさを感じることもなかったのか、今まで普通に過ごしていました。
ところがここ数週間で急に体が弱ってきました。
急に食べる量が減ってきたのです。
それまで毎日近くのスーパーに自分で歩いて買いに行っていた鰻弁当をほとんど手をつけず残すことが増えました。
私は父とは同居していませんので詳しい状況はわかりませんでしたが、週に一度、掃除洗濯などのために父の家に通ってくださるヘルパーさんに聞きました。
それで、心配して帰ったところ、本当に衰弱が進んでいて驚きました。
食べ物や飲み物、流動食など色々勧めてみましたが、ほとんど何も食べたくない、飲み物も欲しないようでした。
今は、訪問診療、看護を利用して点滴を打ちながら栄養補給をしていますが、
父にとってはついにそういう時期が訪れてきたのかもしれないと感じています。
父の意思を優先して、心身に負担をかけないようにして、自宅でなるべく自然に過ごしてもらう準備が整いました。
現時点では、入院ではなく、在宅ケアを選択しました。
入院すれば、最善の治療ができて、24時間体制で監視できる環境で安心かもしれませんが、家族が面会できる時間は限られますし、なによりも自由に生きることが好きな父にとっては、少なからず行動が制限されてしまいます。
幸い、父はまだ自力で歩くことはできます。
今後はなるべく父に寄り添う時間を長く確保していきます。
病院に行きたいか、自宅で過ごしたいか、父の意思を確認しながら、父が希望するように残りの日々を過ごしてもらいたいと思います。