プロフィールにも紹介していますが、私は内臓が一つありません。
それも誰もが一つしかない内臓です。
それは何でしょうか?
脾臓という臓器です。
意外に地味というか、その働きがあまり知られていない内臓です。
私は小学校2年の時に近所で友だちと木登り大会と称して、誰が一番高く登れるのかを競っていました。
当時私は体格も小さい方で、運動は苦手でしたが、なぜか木登りには周りの子どもたちには負けない自信がありました。
それで、高さ3〜4メートルくらいの木だったでしょうか。
そのてっぺんまで登って、なんと両手を離してバンザイしたんです。
そこまでは覚えています。
その後転落して、完全に意識を失って、
気がついた時には脾臓摘出手術が終わったあとで、鼻からチューブを入れたとても苦しい状態で目が覚めました。
相当な大手術で、今でもお腹には大きなメスの傷跡が残っています。
両親の話を聞くと、最初は外科医から頭の手術を勧められたんだそうですが、父が頑なに拒んだそうです。
頭を切り開くなんて、その後どうなってしまうのか、と思ったようです。
2ヶ月間程度入院して無事に退院することができました。
私はこれ以降、自分は内臓が一つ無いことによって、色々なハンディを背負っていくんだろうと無意識に感じていたと思います。
でも、それ以降、50歳を超えた今でも、脾臓が無いことで特に不自由や問題を抱えたことは、幸いにもありません。
調べてみると、脾臓は人のリンパ系の臓器で免疫力を司っているようですが、
他の臓器よりもまだ解明されていない部分が多く、「脾臓は秘臓」と呼ばれているそうです。
なので、これからも影響が無いとは言えませんが、少なくとも、今までは大きな支障は何も感じませんでした。
人の体の機能は不思議なもので、何かの組織が働かなくなると、別の組織がその機能を代行し始めるそうです。
素晴らしい力です。
生命とは、すごい存在なんだと私自身の体をもって実感しています。
これからどんなに医療技術が進んだとしても、無い機能を代行するとかいったレベルに到達することはできるのでしょうか。
私はこの経験から、自分の体にとても興味を持ち始めたと言えます。
このハンディをカバーするには、人一倍、体を鍛えていかないといけないんだろうなと子どもながらに感じていました。
これが私の原点かもしれません。
この、驚異的な人間の力を信じることが大切だと思います。
薬だとか外の力に頼らずとも、人は生命を全うできるように最初からできているのです。
一番大事なことは、人間の力をとにかく信頼することです。
信頼していなければ、力を発揮することなく命も終わってしまうでしょう。
「自分への信頼」
生きる上で一番大切にしたいことです。